2012年10月10日水曜日

事務所紹介

2012年10月8日付けの神奈川新聞経済面で事務所が紹介されました。

2012年1月27日金曜日

エベレスト

世界一の高さを誇る名峰の話ではない。ロードレーサーの話だ。今から20年前エベレストはエヴァと呼ばれていた。

”EVEREST ESPRIT SC” 

クロモリフレームの美しさをこの上なく発揮した機能美と気品。今は無き土屋製作所のフレームだ。

当時私は、毎日の通学に使っていたケルビムのロードレーサーを盗まれてしまい、何もやる気が起きないほど落ち込んでいた。エベレストのことは雑誌でしか見たことがなく、憧れてはいたものの雲の上の存在のように思っていたのだが、ある日行きつけの自転車屋「輪童子」の店頭に、そのフレームが吊るしてあるのを目にしたのだった。サイズはピッタリ。店主が自分のためにこっそり用意しておいてくれたのかもしれないなどとは思いもせず、ただただ運命的な出会いに夢中になった。もちろん、即購入を決断。昼飯をケチりながら小銭を貯め、ちょっとずつ支払いを続けた。2ヶ月かけて部品が揃うと同時にようやく自分のものにすることができた時は天にも昇る気持ちだった。ホイールの手組みにも挑戦し、店主に工具を借り、手順を教わりながら組み立てたのもこの時が最初だった

これぞロードレーサー。当然走りにも気合いが入った。競輪選手御用達のフレームでダラダラと走る訳にはいかなかった。

そんな思い入れ深い自転車も、大学に入り車の免許を取得すると「床の間自転車」として部屋の飾りになってしまった。そのうち手狭になってベランダに出されるようになり、いつしか雨にさらされるようになってしまった。

それから何年も経ったある日、仕事の関係で金属加工屋さんへ赴くと、そこにエベレストのフレームが吊るしてあるのが目に入った。聞くと、このフレームからロードレーサーを組むと言うではないか。そこからは、仕事の話はそっちのけ。忘れかけていた感動がよみがえり、雨ざらしにしていた自分のエベレストも早速レストアしたくなった。だが、20年近いブランクのため自転車情報のギャップにはだいぶ戸惑った。今も変わらず乗り続けているかつての自転車仲間を頼り、パーツの情報を教わりながら何とか復活させることができた。

長いブランクの間に世の中はカーボン製の軽量バイクが全盛となり、「ロードレーサー」も「ロードバイク」という呼び名で呼ばれるようになった。今改めてクロモリのエベレストに乗って感じるのは、ハンドメイドの素晴らしさ。美しさと頑丈さ、競輪選手がこぞって乗っていただけの高い精度。カーボンバイクと並べても今なお輝きを失っていない。

レーム EVEREST ESPRIT SC、チューブ コロンバスSL
ヘッド金物 Campagnolo (カンパニョーロ)スーパーレコード
ハンドル Cinelli(チネリ) チャンピオン デル モンド
ステム  Cinelli(チネリ) 1A
FD Campagnolo(カンパニョーロ) ヌーボレコード
RD Campagnolo(カンパニョーロ) ヌーボレコード
クランク Shimano NEW DURA-ACE 7400 歯51×41  170mm
BB Shimano NEW DURA-ACE 7400
シートポスト Simano NEW DURA-ACE 7400
サドル Sanmarco (サンマルコ) リーガル
ペダル Shimano NEW DURA-ACE 7400
ブレーキ本体 Shimano NEW DURA-ACE 7400
ブレーキレバー Shimano NEW DURA-ACE 7400 エアロ
ハブ Shimano NEW DURA-ACE 7400 13-14-15-17-19--22
リム Campagnolo (カンパニョーロ)Victory strada
チェーン Suntour (サンツアー)Superbe pro

2012年1月24日火曜日

ローマの幼稚園事情

 ローマの幼稚園は、大きく分けて3タイプあります。
まず、比較的数が多い、
小規模のカトリック修道院付属幼稚園。シスターが先生を務め、比較的行儀作法に厳しく、女の子を持つ親御さんに人気。保育費は、1ヶ月3万円程度。
 次に、日本の多くの幼稚園のように独自の方針で運営する私立幼稚園。イタリアでも早期教育に注目する人たちは、様々な教育方針を打ち出す私立幼稚園へ子供を通わせています。保育費は1ヶ月3万円〜10万円程度とまちまちです。
 最後は、市立小学校に付属する形で設けられている市立幼稚園。1クラス30人程に先生が1人という、小学校並みの人数配分で、教室も小学校の校舎の中に設けられていることが多い。保育費は、1ヶ月8000円。

これはカトリック系幼稚園の例です。通りからは、高い壁と鉄の扉で完全に切り離され、一歩中へ入るとそこは、シスターたちを中心とした静かな別世界。子供たちが元気に登園して来ると、直立したシスターに迎えられ、お行儀よく挨拶するところから一日が始まります。







外遊びのための中庭。20人程の子供たちが遊びます。
元気に走り回ることは想定していないためか床は石張り、遊具も出来合いの簡単なものばかりです。







教室はさほど広くはないのですが、天井が高く、明るいのが印象的です。













次は私立幼稚園の例です。この幼稚園も外遊び空間である中庭は走り回るには狭く、砂利敷の地面にいくつかの遊具が置かれているに過ぎません。街中の小さな公園のようです。








室内は、こちらも比較的天井が高く明るいのが印象的です。



















扉一枚で仕切られた、隣合う2つの部屋を14〜15人の子供たちが自由に使います。これはクリスマス会の様子ですが、このような小さなイベントなら一部屋で十分。















外遊びにも室内遊びにも熱心な日本の幼稚園に比べ、外遊びの比重が非常に小さく感じられるローマの幼稚園です。都会ならではの敷地面積確保の難しさもありますが、幼稚園で外遊びを十分にさせるという考えは乏しいようです。その代わり、明るく温かい雰囲気で、子供たちが一日安心して楽しめるような室内空間が印象的です。